kotono in midnight

見た目はFabulous、中身はpolitical

「RRR」という祭り

こんばんは、Kotono in midnightです。

 

やー、28日仕事納めでした。ほぼ定時で退勤し、洗濯物を干し、祭りに行きました。

 

そう、「RRR」という祭りに………!!

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これは絶対に観なければと思いながらなかなか行けてなかったんですが、大ヒットのお陰でバカデカスクリーンで拝むことができたの幸せすぎました。

夕方くらいにチケット早めにとっとこうと思ったらほぼ満席。早めも何もなかった。すごい勢い。

 

序盤から映画という芸術に涙する、想定内なんだけどこの感動は想定外。

主人公の2人は実在の人物を基にしており、物語はフィクション。エンターテインメントに振り切りながらも、インドの歴史に最大の敬意を表しためちゃくちゃ偉大な超大作。かなり政治的で暴力描写も多いけど、誰もが胸を熱くする緻密なストーリーとド派手な演出は圧巻。これが大ヒットするインドの成熟した映画市場には相変わらず脱帽、日本でもこうして観られる喜びに興奮を抑えきれませんでした。

3時間の超大作ながら1秒も無駄のない完璧なパズルのように、「何故彼らは戦うのか」が明白で映像での説明も知的でドラマチック。主要キャラのひとりひとりが愛情深く、太すぎるほどに筋が通っておりひたすらカッコイイ。

 

とにかく年内にこの作品の素晴らしさを記しておきたいので、脈絡なくひたすら興奮を伝えるためにここから先はネタバレ全開で行きますよ!

 

 

2人の戦いが意義深く切実であることが、やはりこの物語を何重にも深めていて、展開に違和感が全くなかった。

ラーマは自分の一族のために、父との約束を果たすために。(目的を見失うな、ってお父さん撃つの悲しすぎた)

ビームは自分の一族の娘を救い出すために。

ラーマとビームでは、一見背負ってるものの重みが違ってるように思えてしまうんだけど、違ってるけど違わないってことを物語が教えてくれる。

すごすぎるなって思ったシーンというか流れは(逆にすごすぎないシーンなどないけど笑)、ビームがラーマの背景を知ったとき、「自分は森で生きていて無知だった」と自分の行いを悔やみ絶対にラーマを救い出すとシータに誓ってラーマの元に向かって「大義のために戦っていたとは…!」と、それを言われたラーマがめちゃくちゃカッコイイ表情で受け止めてクライマックスが始まるっていう、その熱さたるや。で、ドサドサ英国軍を皆殺しにしていくんだけど。

ビームが見せしめ的な鞭打ちの刑に処されてるとき、死ぬことより跪いて権力に屈することを拒否した姿にラーマは感銘を受けまくって「武器がなくても革命は起こせる」みたいなことを言うんだよね。やっぱり2人は一緒に戦う運命なんだってすごく嬉しくなりながらも、私は"武器は必要だよ…!"って心配になってしまって。

ガンジーの非暴力・不服従では太刀打ちできない酷い状況なわけだし…。と思いきや私が浅はかでした、すみませんでした。

クライマックスは武器フル活用でしたね。英国の長もばっちり銃で撃ち殺しますしね。ありがとうございました。笑

 

悪は権力を振りかざす差別主義者であり、それに屈しない戦いを歌や演技で説得力を持たせながら、植民地時代をなかったことにしない、当時の人々の思いを受け継ぐ表現で過去を美化しない姿勢が全編通して全面にでてる。

アクションシーンはカッコよすぎて何度も何度も嬉し笑い泣き(最高じゃん)してしまった。戦い方が賢すぎるし爽快すぎるし、迫力の凄まじさはさすがインド映画。見せ場を作るのが上手すぎるしインドの文化をフル活用し、もはや自分たちを称える祝祭。

観てから読むとRRRの面白さが増すことを書いてくれてる記事見つけましたので観た人はぜひ。

RRRを4回見てあれこれあふれたものを書いてみた - 醤油手帖

 

ほんとに映画観るかも、1ミリでも気になってる人は本当にネタバレなしをお願いしますよ!念押し遅ない?笑

 

ラーマ派かビーム派か?という話をしたくなりませんか?なるね、なるんだよ!!!

あたしはねー、悩みますね。いや、ラーマ派ですね。

心ある天才が好きだ…。めちゃくちゃ賢すぎるしね…。最後無限に矢を放ってて神だったし。

 

ラーマとビームの兄弟同然の仲の深まりも熱かった。「人を助ける」っていう、人生通してめちゃくちゃ大事にしたいところがあれだけ初っ端から合致してお互い強くてって、そりゃ親密になるわな。

ずっと自然の中で育ったビームがバイクで、警察になれるようなラーマが馬に乗る、乗り物でお互いが一心同体になってるっていうか、そういうメタファーも感じてカッコ良かった。

 

ビームが子どもを助けに行く時の強行突破で野生のライオンとかバカデカ動物ぶっぱなすのも興奮した。CGのクオリティも激高でド迫力だし。

 

ずっと英国軍の整備された建物(あれなんて言うか…)に対して自然や動物の大切さを映像で訴えてもいるし、差別を許さず文化や人種を誇りに思う心も描かれていて、めちゃくちゃタイムリーでもあるんだよね。

 

もう全編ずっとクライマックスなんだよね笑

全部に言及できない、内容が濃すぎる!!

もう一度見ても絶対祭り。

 

やー、映画館で観られてよかった。感無量です。